『聖書』に興味を持ったとしても、いきなり1冊を通読するのは一筋縄ではいきません。聖書は新旧約合わせて66巻から構成されており、そこには多種多様なテーマが含まれています。
よくある傾向として、聖書の中の一節を断片的に読むというスタイルがあります。「自分の今の状況にいかに合致した言葉であるか」、つまり、ある一節を人生の格言のように聖書から抜き取って読むというものです。
もちろん、このような読み方が、現代に生きる私たちに大きな励ましを与えてくれることは事実です。しかし、聖書を部分的に読むだけでは、「聖書全体が語っている壮大なメッセージ」を見過ごすことになりかねません。慣れてくれば細部まで読み込むこともできますが、初学者にとっては、やはり全体像を把握するのは容易ではありません。
聖書の「全体像」を掴むための最適な1冊
そこで今回おすすめしたいのが、聖書を読む会から出版されている小冊子『神のご計画』です。
本書の最大の魅力は、何よりも「旧約聖書から新約聖書までの全体像」を極めて簡潔にまとめている点です。価格も手頃(ワンコインの500円)でありながら、勉強チックな難しさを排除し、読み物としての体裁をとっているため、非常にすんなりと読み進めることができます。
裏表紙には、本書の目的がこのように記されています。
旧約聖書の中に記された様々な出来事に親しみ、新約聖書のみ言葉に留めている方は多いことでしょう。しかし、その出来事や教えが、聖書全体の中でどのように一つとなっているのかを理解するのは難しいかもしれません。
この小冊子は、創世記から黙示録まで貫く神のご計画を浮き彫りにし、現代に生きる私たちに、聖書が全体として語っているメッセージを明らかにしていきます。
聖書は「ありがたい言葉集」ではなく「歴史」である
やはり、『聖書』というのは単なるありがたいお言葉集ではなく、「この世界の歴史」であり、「この世界にどのように神が関わっておられるのか」を証ししているものなのだと思います。その延長線上に現代に生きる私たちがいて、聖書を読み、そこから神について学ぶのです。
ですから、部分的に読むことが否定されるわけではありませんが、より大きな枠組み、全体像の中で読むことで、その理解ははるかに深まります。
特に、新約聖書に比べて旧約聖書(ヘブル語聖書)は読みづらく、理解するのも容易ではありません。しかし、「旧約聖書の出来事が、どのように今を生きる私たちに関係しているのか」という視点がわかると、より一層旧約聖書に親しむことができるようになります。
極端な解釈(終末論など)に振り回されないために
全体像を把握することは、未来の出来事について考える際にも極めて重要です。
これまでの歴史の中で、「終末」に関する極端な解釈が散見され、人類はそれに振り回されてきました。近い例を挙げるなら、「ノストラダムスの大予言」を今でも覚えている方がおられるでしょう。地球がいつ滅ぶのか、人間には分かり得ないことを「聖書」を理由に断言した人がおり、それを鵜呑みにした人たちも大勢いました。
しかし、終わりの日がいつなのかは人間には知り得ないことだということは、聖書を全体として読めば明らかです。聖書の大きな流れを押さえることで、こうした極端な解釈やカルト的なミスリードを避けることができるのです。
[※聖書が本来語っている「終末論」の正しい理解については、N.T.ライトやC.R.キャンベルの神学をもとに以下の記事で詳しく解説しています → 「『終末論』を正しく理解するために」]
色々な情報が溢れ、極端な解釈も散見される現代。そのような情報を正しく識別するための確かな土台として、まずは基本的なことが書かれている本書を手にとってみてはいかがでしょうか。
Kindle版なら税込330円です。
