日本のプロテスタント教会の150年余りの歩みを「失敗研究」として振り返った、自己反省の書である。プロテスタント教会の牧師四名と信徒一名(平均年齢59歳)が、なぜ日本の福音宣教が大きく実を結ばなかったのかを、自分たち自身の問題として正面から問い直している。

研究の手法はKJ法と呼ばれる質的分析。内外から集められた393個の声を共通項でまとめあげる作業を通して、最終的に三つの大きな理由が抽出された。

(1) 日本の教会がキリストの心を具体化していない教会であったから (2) 牧師・指導者(長老・役員・執事たち)が未熟であったから (3) クリスチャンを含めた日本人が島国的な劣等感の束縛から解放されていないから

本書の核心は、日本社会の側に原因を求めるのではなく、教会の内側にこそ問題があったと結論づける自己内省的な姿勢にある。外部要因(伝統宗教、戦時下の協調体制等)に重点を置きがちな日本教会論の中にあって、内側の責任に向き合おうとする立場は重要である。

ただし、第三の理由として挙げられる「島国的劣等感」のような心理文化論的な説明は、もう一歩、構造的・歴史的要因との関係に踏み込んで読みたいところでもある。

日本の教会の現状を考える上で、まず参照すべき貴重な研究のひとつである。